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無抵抗主義の愚 1


無抵抗主義の愚


●無抵抗主義という虚構の論理

 都市型社会は、物質を中心とした社会生活が求められ、人と人の間を、冷ややかな「断絶」、冷酷な「闘争」へと駆り立ている。物質的な豊かさや、自分だけの倖(しあわせ)を願い、奔走するこの社会は、資本主義の完成と共に見い出されたものであるが、その裏には、金や物と己(おの)が魂を引き換えにして、四次元の高等動物に支配される体制を招いた。そして、その模索は資本主義の総本山であるアメリカの模索である。

 かつて資本主義は、イギリスの産業革命(industrial revolution)と共に発展して来た。
 1760年代のイギリスに始まった産業革命は、これまでの産業の技術的基礎を一変させた。これまで産業の基本であった、小さな手工業的な作業場に代って、機械設備による大工場が成立し、これとともに社会構造が根本的に変化した。そして、産業革命を経て初めて近代資本主義経済が確立するのである。

 この確率とともに、1830年代以降は、欧州諸国に波及し、ついにアメリカにおいて開花した。しかしそれは、一層貧富の構造格差を天地ほどに隔てる不平等でしかなかった。加奈子の不平等は階級社会を構築した。今日でも、その延長線上にある。階級構造が明確になるにつけ、支配する側と支配される側が明確になり、現代はその縮図の中に堅固な組織体制が構築されている。

 支配する側はアメリカ等に見る強大な軍事国家であり、対外的には国際連合軍と言う世界の警察官を構築し、内部的にはCIACentral Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)やFBIFederal Bureau of Investigation/ 米国連邦捜査局)などの内部警察力を有し、こうした国家組織は同時に巨大な財力と、情報を独占して、支配される側を厳しい監視の眼で管理している。

 前者は1947年の設立以来の国家安全保障会議につながる情報機関であり、それは全世界に及び、あらゆる画策を企てている。また、後者は治安警察的捜査・調査・逮捕など強大な権限を持つ司法省内の一部局でありながら、同時に諜報活動を行うGメン(Government-men)であり、捜査官の仮面を被っているが、決して犯罪を撲滅したり、弱者の味方とは限らない。更には、平和を望み、戦争を消滅させる為に奔走している組織でもない。
 そして、両者の組織が「平和を見つけるにはどうしたらよいか」という命題に対して、真摯にこれを模索する組織で無い事は明白である。

 この世には、戦争が存在する。その他、争いがあり、様々な戦いや闘争や、裁判沙汰や喧華がある。その為に平和は訪れない。人々は、平和の到来の為の努力を怠り、訴訟社会へと奔りつつある。これは、現代人と言う人種が、心の底から「平和を歓迎していない」ということを物語っている。こうした現代人の心の底にある意識も、世の中を不穏に陥れる要因となっている。
 口先では「平和、平和」と豪語していても、その根底には階級闘争があり、目には目をと言う意識が働いている。

 そして、底辺に位置する庶民層の意識までが、ひと握りのスーパーリッチの為に上手に画策されているという事である。
 現在アメリカには、おおよそ二億五千万人の人口のうち、76%は中産階級を含む貧困層であり、この貧困層は残りの24%に奉仕させられている。更に、この24%の富裕層の中の1%はスーパーリッチ層であり、アメリカと世界の富の60%を独占し、これらの富を自由自在に操り、自己資産の膨張と、他からの資産吸収を計っている。

 1990年8月の湾岸戦争および、その後のイラク戦争(2003年3月17日、ブッシュ大統領はテレビ演説を行い、48時間以内にサッダーム・フセイン大統領と、その家族がイラク国外に退去するよう命じ、攻撃予告の最後通牒を行った。しかし、フセイン大統領は、徹底抗戦を主張して、これに応えなかった為、2日後の3月19日(アメリカ東部標準時)に予告どおり、イギリスなどと共に『イラクの自由作戦』と命名した作戦に則って、空爆を開始した。これが湾岸戦争を含む、先の戦争から12年を経た経緯である)は、単に、独裁政権下のイラクを叩くと言う単純な戦争構図ではなく、大富豪と言われる1%のスーパーリッチ層が仕掛けた策謀であった。当時のブッシュの狙いは紛れもなくペルシャ湾沿岸における石油利権の確保と、武器の売却ならびにイラク軍事政権の弱体化であった。しかし、その策謀は未完成に終った。そして、その後のイラク戦争は、父親に代わってブッシュ・ジュニアが、策謀成就に奔走したのであった。

 ブッシュ・ジュニアに活動の場を提供したのは、クリントン前大統領であった。
 世界の富の60%は、アメリカ国籍を持つ僅か1%のスーパーリッチ層に独占され、この1%の大富豪はアメリカとヨーロッパを牛耳る国際ユダヤ金融資本である。

 ブッシュ・ジュニアの大統領としての演技指導とシナリオは、僅か1%のスーパーリッチ層からの指令に基づくものである。ブッシュ・ジュニア政権の誕生は意図的に作られたものだった。クリントン大統領、オルブライト国務長官、コーエン国防長官は2005年までの膨大な軍事予算を組んでホワイトハウスを去った。これは二十一世紀の大統領に、共和党のブッシュ・ジュニアを誕生させる目論みがあったからだ。

 現在アメリカは、二十一世紀初頭において、アメリカ合衆国の科学技術をあらゆる分野でリードし、地球上の富の多くは北アメリカ大陸に集結をしている。そうした中で、亜米利加の軍産複合体を母体とする軍需産業は世界中に兵器を輸出して、アメリカは世界中に軍隊を展開させて来た。

 アメリカのアナリストや軍事専門家、ジャーナリスト達は、アメリカが売り捌く武器製造工場である軍需産業の事は殆ど触れずに、「民族の対立抗争」を宣伝したり、「テロに対する憎悪」や「犯罪に対する危機感」を表明しているが、その直接原因である自国の愚は一切触れていない。しかし、これこそ本当の原因を見落とした錯覚の何ものでもないではないか。
 世界中にはこうした愚者が、満ち溢れているのである。

 ところが、「民族の対立抗争」や「テロに対する憎悪」などの情報を真に受けた大衆は、ジャーナリストの世論操作の真意が見抜けず、軍事産業の御用商人に成り下がったジャーナリストの言をそのまま鵜呑みにし、それまで抱いても居なかった他の人々や、異民族に対する憎しみを募らせ、次々に武器を手にとって次の紛争に奔走する軍事政権を支持して来た。

 現在の戦争とか、紛争と言うのは、リングなどの試合場があり、ルールに従って素手で殴り合いをする一対一の空手やボクシングの格闘技とは違うのである。「飛び道具」という武器を使ってするのである。
 1991年の湾岸戦争では、アメリカ、イギリス、フランスの各部隊が、イラク全土を攻撃した。爆撃機や戦闘機が住民を襲い、砲弾とミサイルが飛び交った。更に、その後のイラク戦争は、新兵器の誘導プラズマ兵器(誘導プラズマミサイルは、従来の直線軌道しか巡行できない直撃ミサイルの欠点を補い、特異な曲線の弾道を可能にした兵器である。誘導パターンを「追尾」に設定すれば、標的を何処までも追い掛けるが、速射性の劣る為、発射箇所を探られれば直撃を受ける欠点を持っている。また、プラズマ誘導でありながら、光と同じ速で飛ぶと言う能力もない。しかし、武器輸出国に対し、見せ金的な役割は、この見本市では大いに役だったはずであろう)までが使われ、この攻撃媒体であった戦場は、あらゆる兵器の国際見本市となった。

エルサレムはいったい誰ものものか。パレスチナにあるエルサレム岩のドーム。

 また、中東では戦争の火種は放たれたままで、2000年9月28日、イスラエルをリードする右派リクードのアリエル・シャロン党首は、東エルサレムの市街地のイスラム聖地『神殿の丘』を強行訪問してパレスチナ人を挑発し、その怒りを買った。

 この為、怒りを爆発させたパレスチナ人に対し、イスラエル治安部隊は発砲して激しい銃撃戦を繰り広げた。このイスラエル治安部隊の発砲により、中東の和平は一挙に崩壊したのである。
 裏には、アメリカの差し金により動いたイスラエルの右派勢力の暗躍があった。

 そして、2000年9月に起ったこの事件より一ヵ月後、更に激しい衝突があり、パレスチナ人に126人の死者を出した。ここにアメリカ製の武器か使われたことは言うまでもない。
 シャロンの聖地訪問は、パレスチナ人にとって屈辱の何ものでもなかったのである。しかし、シャロン訪問は、それを見越しての挑発であったことも想像に難しくないだろう。

イスラエル兵によるパレスチナ人への逮捕や拷問。 イスラエル軍によって破壊されたパレスチナ人の家屋。

 元々エルサレム旧市街地は、子供達が無邪気に遊び、旅行客を楽しませて来た心地よい街であった。石造りの住居が立ち並び、平和を快くまで満喫した状態であった。ところがエルサレムにイスラエル兵が侵入し、大昔の『嘆きの壁』をユダヤ人の聖地と称して、アラブ人を次々に暴力で追放した。
 このシャロンの行為は、パレスチナ人に「此処には住んではならない」という、強制的な追い立て宣言であった。

エルサレム旧市街地にある、ユダヤ人の言う『嘆きの壁』は大ウソで、もとはイスラム聖地の『神殿の丘』だった。

 右派リクードの党首シャロンは、聖地訪問後の翌年の2001年3月、イスラエル首相になった。シャロンはこれまでに国防大臣を勤め、兵器商人のマーカス・カッツをスポンサーとする国際武器取引の黒幕でもある。
 かつて1982年に、ホワイトハウスのイラン・コントラ武器密輸事件の裏で糸を引いた人物であった。そして、シャロンこそ、世界最大の武器商人であるアドナン・カショーギの一派として立ち回った前科を持っていたのである。

 多くの軍需産業や武器製造工場は、「武器を殺傷の道具でない」と定義する。二言目には「暴力から身を護る為」と嘯(うそぶ)き、したがって武器は正義の為の護身論となる。しかし、実際には「武器を販売して商行為をする」という裏が隠されている。

 実際問題として、エルサレムは純粋な宗教だけの問題ではない。遥か昔から。エルサレムはイスラム教、キリスト教、ユダヤ教の混在する都市であり、近代になってイスラエルが不法占拠し、その占領地を拡大させて、元々の住民であったパレスチナ人を追い出し、人権侵害が企てられたのである。この地では、イスラエルによって、パレスチナ人が毎日のように辱められ、イスラエルに武器の供給をしているのがアメリカである。

イスラエルの侵攻によって家を失った、パレスチナ人のガザ地区ジャバリヤ・キャンプ。

 イスラエルの建国の発端となった事件は、ヨーロッパ人とアメリカ人が、自分達の犯した非人道的なユダヤ人迫害と言う罪の代償として、この国の建国を認めたものである。しかしこの上人は、無責任にもアラブ人の住居区を破壊して、その破壊後の跡地が、ユダヤの領土であると決めたことから起った。その為にアラブ人は追い出されて、路頭に迷い、これが紛争に発展したのであった。

 中東紛争は益々激化し、イスラエル人はパレスチナ人に向かってアメリカ製の武器を発射し続けている。これが、アメリカが中東に仕掛けた武器販売の構図である。
 その証拠に、中東紛争の渦中に、アメリカの世界最大の軍需産業であるロッキード・マーチンは、何故、イスラエルに軍需産業数社に莫大な資金援助の契約に署名したのか、こうした事を丁寧に手繰り寄せて行けば、その真の意図が読み取れて来るのである。

 つまり、紛争はビジネスの種であり、人殺しこそ、ビジネス産業にとっては願ってもない、儲けへの利潤追求になるのである。

 デヴィッド・ジエレミアは1934年生まれの海軍軍人で、その後、トントン拍子に出世街道を驀進し、統合参謀本部の重要ポストに起用された人物である。
 また、ジエレミアは2001年のブッシュ政権発足当時、湾岸戦争でイラク軍の撃滅作戦を敢行して、アメリカ軍の英雄となったコリン・パウエル統合参謀本部議長とともに英雄視された人物である。

 その後、ジエレミアは統合参謀本部を退任し、米海軍に軍事用艦船を納入する巨大軍需産業に数えられる、リットン・インダストリーズの重役となっている。ジエレミアが重役となった直後、ペンタゴンからの受注が相次ぎ、リットン・インダストリーズは全米軍需産業のうち、これまでの第15位から、第8位へとランキングをアップさせた。

 更にジエレミアは、軍要艦船の部門を強化させつつ、全米軍需産業で第24位にあった、エイヴォンデール・インダストリーズを買収し、その食指をミサイル部門にまで伸ばし、スタンダード・ミサイル社でも重役になっている。また、アライアント・テクシステムズ社の重役にも納まり、ペンタゴンはジエレミアの営業戦略により、アライアント・テクシステムズ社から通常兵器である、銃器類や弾薬を大量に供給する契約を取り付けた。

 一方、アメリカの銃器メーカーは、世界52ヵ国に銃器を輸出し、特にM16ライフルは、そのロングベストセラーになっている。この銃は、一度撃ち方を教われば、誰にでも簡単に取り扱う事が出来、世界中に氾濫(はんらん)した自動小銃である。日本にもこの小銃を愛好するガンマニアは多く、実際にアメリカまでツアーを組んで試写会に参加する愛好者もいる。
 M16ライフルは、これまでに70万挺以上が販売された驚異的な記録を持ち、小銃としてはベストセラーの部類に入る銃器である。
 そして、紛争地域ではM16ライフルが、今でも盛んに使われている。

 世界各地の紛争地域では、異なる民族と、異なる部族が戦っているように見えるが、こうした戦場では、アメリカ製の小銃や機関銃が使われ、一方、ロシア製やその他の先進国の銃器や小型ミサイルも使われ、これらはソマリアで使われ、モザンビークでも使われた。
 こうした武器提供について、提供者側は、「紛争や内紛を鎮める為」と称しているが、実際にはアメリカ製の武器が武器商人によって流通ルートに流され、アメリカは大掛かりな国連PKO平和維持作戦部隊を紛争地域に派遣して、こうした戦場での紛争を、更に悲惨なものへと作り替えている。

 そして、紛争で直接的な悲惨さを受けない、先進国では、紛争地域の影が落している霊的波調が暗い影を投げかけ、先進国でも個人用殺傷兵器が用いられ、殺人事件が頻発している。
 また、殺人事件には、別の形で普段の生活必需品が、殺傷の為に使われ始めたのである。料理包丁は人体の肉や血管を切り裂く道具となり、鋸切は殺した後の死体切断用の道具に成り下がってしまった。
 昨今の不穏な時代を象徴するものは、紛争地域の暗い翳(かげ)りが、先進国へも波及していることを物語っている。



●暗い翳りの向うにあるものは怨念である

 紛争地域では、狡猾
(こうかつ)な人間の皮を被った野獣が徘徊(はいかい)している。また、野獣が紛争を、一層悲惨なものへと作り替えている。その影は、暗い翳(かげ)りとなって、先進国の文明の恩恵に預かっている国々の国民にも波及している。
 霊的意識は、自国民が直接戦争とは無関係でも、人間としての霊的波調は、民族間を隔てる事なく、繋
(つな)がっているのである。

 世界の何処かで、大事故や大災害、紛争地域で多くの人が死んだり殺されたりすると、心を痛める人が居る。人情の機微もあり、慈愛深い人は、無慙
(むざん)に殺されて行く人々の死を悼(いた)み、霊的波調の心を共鳴させて、憐(あわ)れみ、悲しむ人が居る。同類、相憐れむと言う。悲しみの波調は共鳴するものである。人は、みな霊的には繋がっていることが分かろう。
 他の人々が、「自己と同類である」と認める意識は、誰にもあるはずだ。これを「同類意識」という。

 そして、社会の本質的要素は「同類意識」があって、はじめて健全に機能するのである。
 ところが一方、他人の不幸を喜ぶ人間がいる。民主主義を唱え、自分と、自分の家族を中心に考え、あるいはその余力を親類に齎
(もたら)すだけの、個人主義に奔(はし)る人間がいる。
 つまり、「人の痛みを感じない人間」である。昨今は、こういう人間が増えつつある。自分の欲望と快楽を満たす為に、自己中心的な考えをする人間がいる。今日の犯罪は、これが原点となっている。

 その結果、世情は不穏となる。そして、同時に、善人も悪人も、犯罪者も善良な市民も、一緒に同居するこの社会には、何かしらの戸惑いが起り、やがてそれが疑心暗鬼となって、人が人を疑い、疑いは不信感となって、排他的になって行く。そこに「俊巡の心」が派生する。この俊巡こそ、混同の誤謬
(ごびゅ)ではなかったか。

 確かに、こうした不穏な世相にあっても、犯罪者になる青少年の数は、全体から見れば、ほんの僅かなものに違いない。しかし一方で、年々、増加の一途にある青少年犯罪、あるいは犯罪の低年齢化は、その止まるところを知らず、右肩上がりに増え続けている。何者かに培養されている。あるいは焚き付けられている。それはマスコミであるかも知れないし、昨今の風潮がそうさせるのかも知れない。
 または、悪しき殺戮
(さつりく)の波調に同調し、何者かが共鳴して、犯行を思い立つのかも知れない。

 これは現代と言う世の中が、「心が失われた時代」であるからだ。恐らく、心が奪われ、物や金や色に魅
(み)せられた場合、現代人の心は物質誘惑に大きく染まり、魔界の魔物に見入られる
 その意味で、軍需産業の資本家として、「人間の皮を被っている武器商人」も魔物に見入られた人種であろう。

 米国防総省ペンタゴンは、銃砲からミサイル、軍艦や戦闘機、その他の種々の武器に至るまで、武器と兵器の国内製造を促進させながら、此処で生産した商品を、外国の紛争地域に送り込む軍事機関としての役割を果たしている。

 この組織は世界中に巨大なネットワークを持ち、太いパイプの販売ルートを持ち、武器商人が上手に武器を売り捌く為に手助けをし、フランチャイズ的なスーパーバイザーを要して、小売武器商人との、二人三脚体制が確立されている。
 また、軍需産業から流れ込む巨大な政治資金を受けるのが、全米の上院議員と下院議員であり、ホワイトハウスの要人達である。こうした彼等にとって、軍需産業から流される資金は、まさに彼等の生命線なのである。

 全米の上院議員と下院議員ならびにホワイトハウスの要人達は、巨大な組織のエリートであり、このエリート達が退役すると、その天下り先は、既に巨大軍需産業の重役のポストが準備されている。また、高級軍人も同じである。そして、彼等の殆どは、軍需産業の重役などの重要なポストに就任する。武器と兵器を製造販売する紹介者として、あるいは仲介者として、米国政府の中枢に深く食い入り、そして政府を動かす。
 このような政府が、戦争より平和を選択するであろうか。
 否、もしそうなれば、アメリカ中は、失業者の洪水で溢れることになる。

 この事を考えても、アメリカが、平和より戦争を愛する国であることは、一目瞭然であろう。
 かつて、G・H・Q連合軍総司令官ダグラス・マッカーサーは、退任後の1951〜55年にかけて、レミントン銃を製造するレミントン・ライト社の会長に納まっていた。
 また、湾岸戦争で名を馳せた、コリン・パウエル統合参謀本部議長は、「多年に亘る陸軍への貢献」を称賛され、ゴールドメダルを授与されて退役し、1993年に死去したが、深い敬愛を受ける反面、拳銃で有名なコルト・インダストリーズの重役であった。そして、軍事費縮小に対し、最後まで強く反対し続けた人物でもある。要するに、根っからの戦争屋であったと言う事だ。

 紛争地域は、戦争屋の思惑が絡み、武器を販売することで、利潤の追求がなされる資本主義の市場システムが採用されている。このシステムこそ、その一方では、人殺しも金銭に換算され、貨幣経済の一翼を担っている。この事実は、誰も絶対に否定できまい。

 世界は民族問題で溢れ返っている。学識経験者の間では、民族問題が、よく討議される。しかし、民族問題を討議する前に、何故、紛争地域で使用されている兵器や武器のブランド名を公表しないのか。国連は、一度もこうした検討を重ねたことはない。議論もしたことがない。
 また、アメリカで製造されている兵器や武器や弾薬が戦争の道具として、紛争地域にどのように波及されて行ったか、国連はこの事を、一度も公表したことがない。

 この意味からすれば、軍需産業の資本家達は、アメリカ政府の支配中枢を乗っ取り、人殺しを戦争と言う国際法上の問題として摺り替え、武器を無制限に生産して、敵と味方の両方に供給し、戦争や紛争、その他のテロ行為を煽
(あお)り、世界人類を破壊的な方向に導いている事実を知らねばなるまい。

 そして、その戦火の下では、確実に人が死んでいるという事である。殺された側の怨念
(おんねん)は、確実に霊的波調となって、第三者に伝搬されるものである。こうした怨念が先進国の国民にも共鳴し、昨今の不穏な世の中を作り上げたとも言える。
 昨今の人殺しは、今までとは考えられないほど残忍である。青少年でも、また男女の区別なく、残忍な犯行が姿を現わすようになった。これは怨念の波調が、あるいは怨念の意識体が、直接戦争や紛争とは関係のない先進国をも汚染し始めたという事である。

 そして、最も恐ろしいことは、凶悪残忍なことをした青少年が、警察に逮捕されても、一向に罪を改める事なく、平気な貌
(かお)で、再び同じ犯行や事件を起こすことである。これは、あたかも紳士の仮面を被った武器商人や、その資本家の如きである。「カエルの面に小便」というべきか。



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